サカナクション『怪獣』のMV公開！歌詞に込められた想い
日本のロックシーンを牽引し続けるサカナクションが、約3年ぶりとなる新曲「怪獣」のMusic Videoを公開しました。
しかも、このMVの映像世界には、多くのファンが心を奪われる深い意味が込められています。今回は、サカナクション最新作の魅力と、そこに秘められた山口一郎さんの想いを詳しく探っていきます。
サカナクションとは？バンドの基本プロフィール
まずは、改めてサカナクションについてご紹介します。2005年に活動を開始し、2007年にメジャーデビューした5人組のロックバンドです。
メンバー構成
・山口一郎（Vo&G）
・岩寺基晴（G）
・草刈愛美（B）
・岡崎英美（K）
・江島啓一（Dr）
日本の文学性を巧みに内包させる歌詞やフォーキーなメロディ、ロックバンドフォーマットからクラブミュージックアプローチまでこなす変容性が大きな特徴となっています。彼らの音楽は、まさに現代の日本音楽シーンを代表する存在として多くの人に愛され続けています。
さらに注目すべきは、全国ツアーは常にチケットソールドアウト、出演するほとんどの大型野外フェスではヘッドライナーで登場するなど、現在の音楽シーンを代表するロックバンドという実力です。これだけの人気を誇る理由は、彼らの楽曲が持つ独特の魅力にあります。
中心人物・山口一郎さんのプロフィール
サカナクションの核となる存在が、ボーカル・ギター担当の山口一郎さんです。1980年生まれ。北海道小樽市出身の彼について、詳しく見ていきましょう。
山口一郎さんの基本情報
・生年月日：1980年生まれ
・出身地：北海道小樽市
・担当：ボーカル・ギター
・役割：サカナクションのほぼすべての楽曲の作詞・作曲を手掛けているメンバー
実は、山口さんは音楽活動を始めたきっかけが文学だったという興味深い経歴を持っています。両親の影響から俳句などにも詳しく文学がきっかけで音楽活動をはじめたので、曲作りでは歌詞を重要視しているのです。
この文学的なバックグラウンドが、サカナクションの楽曲に深い意味と美しい世界観をもたらしている重要な要素だと私は考えています。単なるロックバンドではなく、詩的な表現力を持った音楽集団として、多くの人の心に響く作品を生み出し続けているのです。
『怪獣』誕生の背景とアニメ主題歌への思い
そして今回の新曲「怪獣」ですが、実はこの楽曲には特別な意味があります。”怪獣”は、2024年10月よりNHK総合でオンエアされたアニメ「チ。 ー地球の運動についてー」のオープニング主題歌として書き下ろされた楽曲なのです。
さらに驚くべきことに、サカナクションにとって約3年ぶりの新曲であり、初のアニメ主題歌でもあります。長いブランクを経て、しかも初めてのアニメ主題歌という挑戦に臨んだ山口一郎さんの想いはいかほどだったでしょうか。
山口一郎さん自身も原作について、”事前知識が全くない状態で作品を読めたので、純粋にとても楽しめました。史実と思われる部分とフィクションとがギリギリのところで混ざり合いながら、どこまで読み進めても論理的にまったく隙”とコメントしています。この真摯な作品への向き合い方が、楽曲の完成度の高さにつながっているのは間違いありません。
話題のMV公開とその象徴的な映像世界
今夜24時10分「怪獣」ミュージックビデオ公開です。#怪獣MV #サカナクションhttps://t.co/vZ7vZ2sR1g pic.twitter.com/bQorpRUEgJ
— 山口 一郎 (@SAKANAICHIRO) March 15, 2025
そして、多くのファンが待ち望んでいた「怪獣」のMusic Videoがついに公開されました。Music Videoの監督およびアーティストフォトのディレクションは、映像ディレクターの田中裕介が担当しています。
MVの印象的な映像描写
このMVで最も印象的なのは、ボーカル山口一郎が卵と思しき物体を大事に抱えながら薄暗い通路の中をさまよい、時に何かに追われるようにという映像です。この象徴的なシーンには、きっと深い意味が込められていることでしょう。
卵という生命の象徴を抱えながら暗闇を進む姿は、まさに未来への希望や新しい可能性を守り抜こうとする意志の表れのように感じられます。また、何かに追われるような描写は、現代社会の不安や葛藤を表現しているのかもしれません。
私個人としては、この映像から「怪獣」というタイトルの持つ二面性を感じ取ることができました。一般的に「怪獣」は恐ろしい存在として描かれることが多いですが、このMVでは守るべき何かを抱えた存在として描かれています。これは、外側から見れば怪獣のような存在でも、内側には大切なものを守ろうとする純粋な想いがあるということを表現しているのではないでしょうか。
ファンの反響と1000万回再生の記録
「怪獣」のMVは公開後、大きな反響を呼びました。新曲「怪獣」MVの1,000万回再生を記念し制作の裏側を捉えた”Behind the Scenes”公開されるほどの人気ぶりです。
この記録的な再生回数は、サカナクションの楽曲の持つ力強さと、3年ぶりの新曲への期待の高さを物語っています。また、アニメ主題歌として多くの新しいリスナーにも届いたことも大きな要因でしょう。
『怪獣』ツアーで見せる新たな表現
音楽の力は、ライブパフォーマンスでこそ真価を発揮します。サカナクションは「怪獣」をタイトルに冠したSAKANAQUARIUM 2025 “怪獣”ツアーを開催しています。
残念ながら※SOLD OUTとなってしまうほどの人気ぶりですが、このツアーでは新曲「怪獣」がどのような形で表現されるのか、多くのファンが注目しています。
ライブでの「怪獣」は、きっとMVとはまた違った感動を与えてくれることでしょう。サカナクションのライブパフォーマンスの素晴らしさを知る私としては、この楽曲がライブでどう昇華されるかが非常に楽しみです。
『怪獣』歌詞の全文
何度でも
何度でも叫ぶ
この暗い夜の怪獣になっても
ここに残しておきたいんだよ
この秘密を
だんだん食べる
赤と青の星々
未来から過去
順々に食べる
何十回も噛み潰し
溶けたなら飲もう
淡々と知る
知ればまた溢れ落ちる
昨日までの本当
順々と知る
何十螺旋の知恵の輪
解けるまで行こう
丘の上で星を見ると感じるこの寂しさも
朝焼けで手が染まる頃にはもう忘れてるんだ
この世界は好都合に未完成
だから知りたいんだ
でも怪獣みたいに遠く遠く叫んでも
また消えてしまうんだ
だからきっと
何度でも見る
この暗い夜の空を
何千回も
君に話しておきたいんだよ
この知識を
淡々と散る
散ればまた次の実
花びらは過去
単純に生きる
懐柔された土と木
ひそひそと咲こう
点と線の延長線上を辿るこの淋しさも
暗がりで目が慣れる頃にはもう忘れてるんだ
この世界は好都合に未完成
僕は知りたいんだ
だから怪獣みたいに遠くへ遠くへ
叫んでただ消えていくんだ
でもこの未来は好都合に光ってる
だから進むんだ
今何光年も遠く 遠く 遠く叫んで
また怪獣になるんだ
歌詞に込められた想いと現代社会への眼差し
「怪獣」の歌詞について詳しく見ていくと、山口一郎さんの現代社会に対する複雑な想いが込められていることが分かります。アニメ「チ。 ー地球の運動についてー」は、地動説をめぐる物語であり、既存の価値観に挑戦する人々の姿が描かれています。
このテーマは、現代においても通じるものがあります。新しい考えや価値観を受け入れることの難しさ、そして既存の枠組みから脱却しようとする人々の葛藤。これらは、まさに現代社会が抱える課題と重なります。
山口一郎さんが「怪獣」という言葉に込めたのは、おそらく既存の価値観に立ち向かう人々への共感と応援のメッセージなのではないでしょうか。外側から見れば「異端」や「怪獣」のように見える存在でも、その内側には美しい想いや大切な何かがあるということを伝えたかったのかもしれません。
サカナクションが築く音楽の新たな地平
サカナクションは常に音楽の可能性を追求し続けてきました。クリエイター・アーティストと共に音楽に関わる音楽以外の新しいカタチを提案するプロジェクト「NF」を恵比寿LIQUI-DROOMで定期開催するなど、音楽の枠を超えた活動も積極的に行っています。
「怪獣」という楽曲も、単なるアニメ主題歌の枠を超えて、現代を生きる私たちに大切なメッセージを届けてくれています。音楽が持つ力、そして芸術が社会に与える影響について改めて考えさせられる作品です。
まとめ：音楽が紡ぐ希望のメッセージ
サカナクション「怪獣」のMV公開は、単なる新曲リリースを超えた文化的な出来事だったと言えるでしょう。3年ぶりの新曲、初のアニメ主題歌、そして1000万回再生という記録。これらすべてが、サカナクションの音楽が持つ力を証明しています。
山口一郎さんの文学的な背景から生まれる深い歌詞、そして田中裕介さんが手がけた象徴的な映像。これらが組み合わさって生まれた「怪獣」は、現代を生きる私たちに大切なメッセージを届けてくれています。
外側から見れば「怪獣」のような存在でも、その内側には美しい想いがある。既存の価値観に挑戦することの大切さ。そして、大切なものを守り抜く意志の重要性。これらのメッセージは、きっと多くの人の心に深く響くことでしょう。
サカナクションの音楽は、これからも私たちに新しい視点と希望を与え続けてくれることでしょう。「怪獣」という楽曲が、多くの人にとって特別な意味を持つ作品になることを願っています。
「アニメの感動が再び蘇った」
「サカナクションらしい独特の世界観が表現されている」
といった声がSNS上で多数見られ、その評価の高さが伺えま2025
サカナクション公式サイト
アニメ『チ。 ―地球の運動について―』公式サイト
